389:読弁当

長年営業をやって来たせいで眼を見れば大抵の人の感情はつかめる。 場末の貧乏具屋を向こうにとって用もないメーカーの中の一社として毎月必ず顔を出していた。 一筋の光明を見出だす為にはその方法しかなかった。 元来、人が苦手な僕は人の良い気の合う仲間を使って人付き合いをしてきた。 一匹狼の地方営業は無駄な時間としか思えなかったが会社の経費を少しでも無駄にしないように頑張った。 出張案内を送り、…

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