558:星が綺麗な朝弁当

星が綺麗な朝は 冷たい夜風が身に染みる。 夜と朝の狭間で仕事に出掛ける。 30分遅くても間に合うけど この時間が良い。 誰にも会わなくて済むから 誰にも挨拶しなくて済むから アル中の営業マンの高橋さんが部長に呼ばれていた時に先輩社員が俺に言った。 「高橋さんはもう、普通の人の一生分の酒を飲んじゃってるからやめた方が良いって言えるよな。」 長年営業をやって来た俺は普通の人の一生分…

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558:暗い朝弁当

大分日か短くなって 始発へ向かう朝の道に朝陽が射す事が無くなった。 少し前まで美しい朝焼けに向かって歩いていたのに夜道と同じだ。 寒い 車が停止線をオーバーして目の前で停まった。 こんな時間に人影も無く油断していたのだろう。 こっちはそんな馬鹿野郎運転手の事なんてお見通しだ。 引かれないように手前で停まりやり過ごす。 運転手は目の前で停まりながら眼もくれないで去って行く。 軽く…

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557:翔猿弁当

これは思い付きの創造の話 昨日の大相撲秋場所千秋楽 何故か厄相撲に叶う三役の取り組み前に鈴本演芸場で聞いた元関取の落語家桂歌武蔵の相撲の控え室での盆回しの話を思い出した。 優勝争いが拮抗している時に大抵思い出す話 正代が優勝する為にお金が動く 熊本の名士から翔猿に話が行く。 「安心して勝てば良い。」正代に熊本の名士から連絡が入る。 名士は理事長、朝乃山、貴景勝にも連絡を入れる。 …

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